知恵袋

皆さんは子どもの頃、「夜、口笛を吹くと蛇が出るよ」と叱られたことはありませんか?
「今年はカメムシが多いから、寒い冬になるね」などと言ったりもします。
古くからの言い伝えやしきたりなどは、一見非合理的であっても、実は長年の蓄積から生まれた知恵であったり、身を守るための戒めであったりします。
ここでは、粋な暮らしにちょっぴり役に立つ知恵をご紹介します。

目次

粋なお付き合い

「お中元」と「お歳暮」
 お世話になった方へ、年に2回、定例の贈り物が「お中元」と「お歳暮」ですね。夏と冬の季節のご挨拶程度に考えられがちですが、実は、起源は全く別のものです。
 「お中元」は、お盆に帰ってくるお先祖様へのお供え物で、「どうぞ、わが家の品物もお供えください」と持参するものでした。ですから、お中元はお盆の時期に合わせて贈ります。ちょっとややこしいのですが、お中元に関しては旧暦ではなく新暦を基準とします。ですから、お中元の時期は7月はじめから7月15日までとされています。7月15日を過ぎると、表書きは通常、「お中元」から「暑中お見舞い」となり、立秋を過ぎたら「残暑お見舞い」となりますのでご注意を。
 「お歳暮」はもともとは年末を表す言葉です。お正月に備えて分家筋の者が、正月のお供え物を持って本家を訪ねたのがお歳暮の始まりと言われています。本家の当主はそれらをまとめて、お正月の神棚へお供えしていました。つまり、お歳暮は親戚内のプライベートな贈り物だったのです。これが、今日のように公的な贈り物となったのは江戸時代の武士からだったようです。
 「お中元」も「お歳暮」も、実は神聖なお供え物だったのです。それ故、きちんと水引きやのしを付け、ふくさに包んでお渡しするのが正式です。
 

旬を食べる

春・・・若葉のころ、ウキウキした気分で
野菜・・・春キャベツ、せり、たけのこ、菜の花、そら豆、えんどう豆、新たまねき
果物・・・苺、キウィ、八朔、ネーブルオレンジ
魚貝・・・サヨリ、メバル、真鯛、イサキ、鰹、あさり
夏・・・暑さを乗り切るパワーの源
野菜:南瓜、トマト、茄子、きゅうり、にがうり(ゴーヤ)、トウモロコシ、枝豆、オクラ
果物:無花果、スイカ、桃
魚貝:イサキ、鯵、く車海老、蛸、鱧
秋・・・爽やかな風に吹かれて、食欲の秋
野菜:さつま芋、里芋、じゃがいも、山芋、きのこ、ごぼう、蓮根、ブロッコリー、にんじん
果物:柿、栗、梨、葡萄
魚貝:秋刀魚、鯖、飛魚、ひらめ
冬・・・心も身体もホカホカになる鍋料理
野菜:白菜、ホウレンソウ、小松菜、ネギ、かぶ、大根、ニラ
果物:ネーブルオレンジ、りんご、みかん、ゆず
魚貝:ブリ、ズワイガニ、コウバコガニ、鮭

月々の風物詩

1月:睦月(むつき)
 1月と言えばお正月。最近では門松を飾る家は少なくなりましたが、注連縄や鏡餅を祭る光景は今でも多く見られます。
 ここで気になるのは、「いったい何時飾ればいいの?」。
 地域によって違いがあるようですが、一般的には12月28日と言われています。29日は「苦」につながり、31日は「一夜飾り」と言って嫌われます。
 気持ちよく元旦を迎え、若水を汲み、お屠蘇を祝って、おせち料理を楽しみましょう。
 おせち料理に必ず入れるものは・・・
  数の子:子宝に恵まれる
  田作り:豊作祈願
  黒豆:マメに生きる
  昆布:ヨロコンブ(喜ぶ)
  結びコンニャク:むつみ合う
2月:如月(きさらぎ)
 2月のメインイベントは何と言っても節分ですね。本来、節分とは文字通り季節を分ける日のことですから、立春だけでなく、立夏、立秋、立冬の前日も節分です。日本人は、もともと農耕民族だったので、農作業が開始される立春を1年の仕事始めとして特に重んじたのですね。 節分には、柊の枝に鰯の頭を刺したものを戸口に立てて、豆まきをします。豆まきは鬼(邪鬼)の目を打ち、柊の枝は鬼の目を突き刺し、鰯の臭いで鬼を追い払うと言われています。  豆まきは、その年の年男が担当します。年男がいなければ一家の主か長男が担当するのがしきたりです。
 豆は、芽が出ないように、必ず煎り豆にしてくださいね。節分の豆に芽が出ると不吉なのだそうです。
 近年、スーパーで目にするのは「恵方巻き」。起源は、江戸末期から明治初期頃の大阪商人の「節分に恵方を向いて太巻き筋を食べると、無病息災、商売繁盛になる」なのだそうです。
3月:弥生(やよい)
 3月3日は雛祭り。立派な段飾りを飾る習慣は、江戸時代の上流階級から始まったそうです。ここで、毎年悩むのは、男雛と女雛、左右はどうやって決めるの?
 宮中では、左の方が右よりも格上とされていて、左大臣の方が右大臣よりも格上。雛人形は男雛が天皇、女雛が皇后を表していますから、左(向かって右)が男雛、右が女雛となります。ところが、昭和天皇即位の際に、天皇は国際儀礼に従って、西洋式に右(向かって左)に立ちました。これ以降、天皇が右、皇后が左という位置関係が一般的となりました。これからひな人形も男雛、女雛の位置が逆になり、今では、男雛を右、女雛を左に飾るのが広まったようです。
 実際には、左(向かって右)に男雛、右に女雛を飾るやり方を「古式」、逆を「現代式」という呼び方もあるそうで、どちらも正解なのだそうです。
 でも、由来を覚えておくと面白いですね。
4月:卯月(うづき)
 4月8日は「花まつり」。この日はお釈迦様の誕生日とされ、「灌仏会(かんぶつえ)」、「仏生会(ぶっしょうえ)」とも言われます。
 この日は、宗派に関係なく、世界中の仏教寺院で祝賀の法要が行われます。
 お釈迦様の立像を安置して、甘茶で注いだ水盤を置き、きれいに花で飾り付けをした「花御堂(はなみどう)」を設けます。
 参拝者は、柄杓で甘茶を汲んで、お釈迦様の像に3回注いで拝みます。後で甘茶をいただいて、1年の無病息災をお祈りします。
 ところで、お釈迦様の立像は、右手で天を、左手で地を指しています。これは、お釈迦さまが誕生したとき、7歩あるいて、右手の人差指で天を指し、人差指で地を指して、「天上天下唯我独尊(てんじょうてんがゆいがどくそん)」と言ったとされる故事からきているそうです。この言葉の解釈は様々あるようですが、「この世に存在する人、皆がそれぞれ唯一無二の存在であり、かけがえのない存在である」という解釈がうれしいですね。
 あなたも、世の中でかけがえのない人なのです。
5月:皐月(さつき)
 5月5日の背比べ・・・、端午の節句ですね。五月晴れの空に泳ぐ鯉のぼりを思い浮かべる方も多いでしょう。
 もともと、鯉のぼりは江戸時代の武家が、家紋を染め抜いた幟旗を立てたことに始まるそうです。当然、町人は幟旗を立てることはできませんでしたから、何とか真似をしたくて鯉の幟を立てたんですね。それで、鯉だけでは締まらないので一番上に吹き流しを付けて幟旗の代わりにしました。ですから、鯉のぼりの主役は、鯉ではなくて、実は吹き流しなんですよ。
 そして、端午の節句のお風呂は菖蒲湯ですね。これは、菖蒲の香りは、邪気や不浄を祓うと言われていたのと、「尚武」につながると、武家に喜ばれたからだそうです。
 確かに、菖蒲の香りがするお風呂に入ると、スッキリとして気分になりますね。
6月:水無月(みなづき)
 6月21日前後には夏至がやってきます。6月に1年で一番日が長いと言われても何んとなくピンときませんね。冬至には南瓜がつきものですが夏至は・・・?あまり、これと言ったものは見当たりませんが、地方によっては「これ」があるようです。例えば大阪では、夏至から半夏生(はんげしょう:夏至から11日目)までに蛸を食べて豊作を祈る習慣があるそうですよ。
 太陽信仰が盛んだった昔は、夏至も大切なお祭りだったようで、今でも三重県の二見浦では「夏至祭」が行われます。
 そして、6月は1年の丁度半分。12月31日が大晦日なら、6月30日は「大祓(おおはらえ)」。あまり聞き慣れませんが、神社の夏祭りで茅輪(ちのわ)くぐりをしたりしますね。これは、これまでの半年間の罪や穢れを祓う儀式で、「夏越しの祓」とも呼ぶそうです。
7月:文月(ふみづき)
 7月7日は七夕様・・・なのですが、古来、中国は後漢の時代から7月7日は書物や衣服を虫干しする日と定められていたそうです。あまりロマンティックではないですね。
 では、なぜ「七夕」が「たなばた」なのでしょう?もともと七夕は「しちせき」の節句です。これが「たなばた」となったのは・・・。
 織姫と彦星の物語は有名ですね。機織り(はたおり)の名手である織姫と働き者の牛使いの彦星。結婚してからは、仲睦まじ過ぎて働かなくなって天帝の怒りにふれて、1年に1度、七夕の日しか会えなくなってしまったという中国の昔話です。その織姫が使っていたのが「棚機(たなばた)」と呼ばれる機織り機。それで、七夕の日と織姫、彦星の物語が結びついて「七夕」を「たなばた」と読むようになったそうです。
 ちょっと悲しい物語ではありますが、虫干しの日よりも良いよねえ・・・。
8月:葉月(はづき)
 8月15日はお盆。本来は7月15日なのですが、今では新暦8月15日とする地方が多いようです。
 お盆の正式な言い方は「盂蘭盆会(うらぼんえ)」、略して「お盆」です。
 お盆の間は、ご先祖様があの世から帰って来られますから、家を間違えないように迎え火を焚き、早く帰って来ていただけるように野菜で馬を作ってお供えします。
 お盆には、盆提灯を灯し、家族、親族が集まってお坊さんに読経してもらいますね。
 だんだん、このお盆の行事も省略されていく傾向にあるようですが、せめて年に一度は離れて暮らす親族が集まり、ご先祖様の供養とともに、無事を感謝する機会があっても良いのではないでしょうか。
 16日の送り火のときには、せっかく戻ってくださったご先祖様が、少しでもゆっくりと帰って行くように、野菜で牛を作ってお供えする。この、日本人の切ないような情感をずっと伝えていきたいものです。
9月:長月(ながつき)
 「月々に 月見る月は 多けれど 月見る月は この月の月」9月は何と言っても十五夜お月さんのお月見ですね。
 お月見の起源は中国で、満月に果物や月餅(げっぺい)をお供えして豊作を祈ったのだそうです。日本では、記録に残っているのは奈良時代で、宮中で月見の宴が催されたとの記述があります。
 日本では、月餅が月見団子に変わったんですね。三方の上にきれいに積み上げてお供えしましょう。もともとは太陰暦のその年の月数分お供えしたようですが、最近は、十五夜ならば15個という考え方が一般的です。
 十六夜は「十六夜(いざよい)の月」、そして、月の出が遅くなるに従って「立待ちの月」、「居待の月」、「寝待ちの月」、「更け待ち(ふけまち)の月」と一夜ずつ名前が付いているのが面白いですね。
10月:神無月(かんなづき)
 旧暦10月は神無月。諸国の神々は出雲大社へ集まってしまい、神社は空っぽに・・・。そこで、出雲大社がある出雲の国(島根県)だけは「神在月(かみありづき)」。旧暦10月11日から17日までは、出雲大社の「神在祭」です。
 ところが、みんなが出雲へと旅立って行っても、孤軍奮闘、留守番をしてくださる神様がいるのです。それが恵比寿様。「えびす」にはいろいろな字があてられ、「恵比寿」の他にも「恵比須」、「戎」、「夷」、「胡」などがあります。七福神の中で、五穀豊穣、商売繁盛、大漁の神様です。
 10月20日に各地の社寺でおこなわれる「えびす講」は、留守番を引き受けてくださることへの感謝のお祭りとされています。
11月:霜月(しもつき)
 霜月という呼び名が寒々しい11月です。11月23日勤労感謝の日に、宮中では新嘗祭(にいなめさい)が執り行われます。もともとは、旧暦11月の卯の日でしたが、今では11月23日に行われます。
 これは、天皇が新穀や新米を神に捧げ、自らも食して、その年の収穫に感謝する行事です。
 そして、11月の酉の日に、各地の鷲(おおとり)神社(または大鳥神社)で行われるのが酉の市。酉の市では縁起物として熊手が売られます。本来は、その年の収穫に感謝するお祭りである酉の市で、農民たちはもう翌年の農作業の準備のために落ち葉を集めてたい肥にする本物の熊手を買ったのでそうですが、それが縁起物となって装飾を付けて売られるようになったものです。
 掻き集めるが商売繁盛に繋がる縁起物なんですね。ですから、商売をされている方は、毎年、お店が発展するように、少しずつ大きな熊手を買うと良いそうですよ。
12月:師走(しわす)
 12月22日、23日ごろが冬至、1年でもっとも昼が短い日ですね。
 冬至には南瓜を食べて、柚子湯に入ります。冬至に南瓜を食べると、中風にならず長生きできて、柚子湯に入ると風邪をひかないと言われています。
 冬に南瓜を食べるのは理にかなっていて、冬に不足しがちなビタミンを補うという先人の知恵ですね。南瓜は夏から秋に収穫する野菜なのですが、保存がきくため冬至に食べられるわけです。
 柚子湯は、もともと厄払いのための禊(みそぎ)だったのだそうですが、柚子・ゆず・・・融通がきく、冬至・とうじ・・・湯治の語呂合わせになったとか。
 そして、食べるといえば大晦日の年越し蕎麦。これは江戸中期ごろからの風習だそうですが、「細く長く」生きましょうという意味合いだそうですが、蕎麦が切れやすいので、1年の苦労を切り捨てて、新年に残さないという意味もあるそうです。
 地方によっては、「太く長く」と、「年越しうどん」を食べる所もあるそうですが、これってちょっと欲張り?



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